判定に納得できない時、選手は何を失っているのか
おはようございます、祐川です!
バスケットをしていると、納得できない判定は必ずあります。
今のはファウルじゃない。
今のはマイボールだった。
なぜ相手だけ笛が鳴るんだ。
そう感じる場面は、どのカテゴリーでもあります。
でも、本当に大事なのは、判定が正しかったかどうかだけではありません。
その判定の後に、自分が次のプレーへ戻れたかどうかです。
今日は、NBAで話題になっているAI判定構想をきっかけに、育成年代の選手に必要な「判定に心を奪われない力」について考えます。
NBAがAI判定を検討している
NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は、ESPNの番組「The Pat McAfee Show」で、アウトオブバウンズなどの客観的な判定にAI自動判定システムを導入する構想に言及しました。
テニスのホークアイのように、カメラやシステムを使ってライン際の判定を自動化する。そうすることで、審判は接触やファウルなど、より主観的で難しい判断に集中できるという考え方です。
これは、NBAのテクノロジーの話としても面白いです。
ただ、僕が今日話したいのは、「AIが入れば全部解決する」という話ではありません。
どれだけ判定技術が進んでも、選手の感情はなくならないということです。
客観的判定と主観的判定は違う
アウトオブバウンズのように、最後に誰が触ったのか。
ボールがラインを割ったのか。
時間内にシュートが放たれたのか。
こういう判定は、比較的データ化しやすい領域です。
一方で、バスケットには人間の判断が必要な場面も多くあります。
接触がファウルかどうか。
その接触がプレーに影響したか。
オフェンス側が押したのか、ディフェンス側が動いたのか。
試合の流れの中で、どこまでを許容するのか。
ここには、どうしても主観的な判断が残ります。
だから、AIが導入されたとしても、選手が一切イライラしない世界になるわけではありません。
一番もったいないのは、次のプレーを失うこと
判定に怒ること自体が悪いわけではありません。
本気でプレーしているからこそ、悔しい。
勝ちたいからこそ、納得できない。
身体を張っているからこそ、「今のは違う」と思う。
その感情は自然です。
でも、一番もったいないのは、その感情を引きずって次のプレーを失うことです。
戻りが遅れる。
ディフェンスの集中が切れる。
味方への声が止まる。
次のシュートまで雑になる。
相手に簡単な速攻を許す。
判定への不満が、次のミスにつながってしまう。
ここを変えられるかどうかが、選手として大きな差になります。
判定もデータとして扱う
ここからは僕の意見です。
ミスはデータです。
そして、判定もデータとして扱うことができます。
今日の審判は、どこまでの接触を流すのか。
ハンドチェックに厳しいのか。
リバウンド争いで、どこまで身体を当てられるのか。
スクリーンの角度をどこまで見ているのか。
トラベリングやキャリーをどの基準で見ているのか。
判定に怒るだけで終わる選手は、次のプレーを変えられません。
でも、判定をデータとして見られる選手は、試合中に修正できます。
「今日は身体を当てすぎるとすぐ鳴るな」
「この審判は手を使うプレーに厳しいな」
「リバウンドでは先に身体を入れないと不利になるな」
そうやって、判定を自分の行動に変えられる。
これが、試合中に成長できる選手です。
育成年代に必要なのは、怒らないことではない
育成年代の選手に必要なのは、怒らないことではありません。
感情を出さないことでもありません。
本当に必要なのは、感情が動いても、次のプレーへ戻る技術です。
悔しい。
納得できない。
でも、戻る。
この力です。
一回深呼吸する。
マッチアップを確認する。
「次」と声に出す。
ボールを見る。
味方に声をかける。
ディフェンスの位置に戻る。
こういう小さな行動が、心を試合に戻してくれます。
3秒で切り替えるルーティン
選手たちには、判定に納得できなかった時のルーティンを持ってほしいです。
たとえば、3秒で切り替える。
1秒目。
息を吐く。
2秒目。
マッチアップを見る。
3秒目。
「次」と声に出す。
これだけでも、かなり変わります。
大事なのは、気合いで切り替えようとしないことです。
切り替えは、気持ちだけでやるものではありません。
行動で作るものです。
深呼吸する。
見る場所を決める。
言葉を決める。
動く場所を決める。
この準備がある選手は、判定に心を持っていかれにくくなります。
親御さんに見てほしいこと
親御さんにも、今日のテーマはすごく大事です。
子どもが判定に納得できず、イライラしている時、ついこう言いたくなるかもしれません。
「審判のせいにするな」
「文句を言うな」
「切り替えなさい」
もちろん、ずっと文句を言い続けるのはよくありません。
でも、まず見てほしいのは、感情が出たことそのものではありません。
その後、戻れたか。
次のプレーに入れたか。
味方に声をかけられたか。
自分の役割に戻れたか。
ここです。
試合後に聞くなら、「あの判定どうだった?」よりも、こう聞いてほしいです。
「あの後、どう切り替えようとした?」
「次のプレーで何をしようと思った?」
「戻るために何ができそう?」
この問いの方が、子どもの成長につながります。
指導者が作れる環境
指導者も、判定への向き合い方をチーム文化にできます。
判定に不満が出た時に、ただ怒鳴るのではなく、戻る行動を決めておく。
笛が鳴ったら、まず戻る。
審判ではなく、ボールを見る。
キャプテンだけが確認する。
他の選手は次の守備位置に入る。
こういうルールをチームで持っておくと、試合中の崩れ方が変わります。
判定に強いチームとは、審判に文句を言わないチームではありません。
判定があっても、次のプレーへ戻れるチームです。
AIが入っても、人間の感情は残る
NBAにAI判定が入れば、アウトオブバウンズのような客観的な判定は、今より早く、正確になるかもしれません。
それは競技にとって良い進化だと思います。
でも、バスケットから感情がなくなるわけではありません。
選手は悔しがる。
コーチは抗議する。
会場は揺れる。
流れは変わる。
だからこそ、どれだけテクノロジーが進んでも、選手に必要なのは「自分を戻す力」です。
最後に
判定に心を奪われるな。
これは、我慢しろという意味ではありません。
感情を押し殺せという意味でもありません。
悔しさを感じてもいい。
納得できなくてもいい。
でも、次のプレーを失わないこと。
判定もデータ。
ミスもデータ。
感情も、自分を知るためのデータです。
そのすべてを次のプレーに変えられる選手が、試合の中で強くなっていきます。
これからこのポッドキャストでは、バスケットボールの話はもちろん、僕の病気や怪我のこと、家族のことなど、色々なテーマでお話ししていきたいと思います。
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