おはようございます、祐川です。
FOGの練習が終わったあと、改めて感じたことがあります。
新しいチームを作るのは、思っている以上に難しい。
FOGは4月から始動して、まだ約2ヶ月です。
当然ですが、長く続いてきた伝統があるわけではありません。
このチームではこう振る舞う。
練習前はこう入る。
声はこう出す。
ミスした仲間にはこう関わる。
そういう空気が、最初から存在しているわけではない。
普通のチームなら、上級生がいます。
3年生がいて、2年生がいて、1年生がいる。
1年生は先輩を見ながら、チームのルールや空気を覚えていく。
「こういう時はこうするんだ」
「この先輩みたいになりたい」
「こういう態度はよくないんだ」
良い意味でも、悪い意味でも、上の学年が基準になります。
でも、立ち上げたばかりのFOGには、それがありません。
今いる1年生たちが、最初の空気を作らなければいけない。
これは楽しさでもあります。
でも同時に、ものすごく難しいことでもあります。
楽しむことと、ふざけることは違う
練習中、少し気になった場面がありました。
楽しそうにしている。
でも、その楽しさが、少しふざける方向に流れてしまう。
もちろん、バスケットは楽しいものです。
僕自身も、子どもたちにはバスケットを楽しんでほしいと思っています。
ただ、ここで大事なのは、楽しむことと、ふざけることは違うということです。
真剣に取り組むからこそ、楽しい。
仲間と高め合うからこそ、楽しい。
できなかったことができるようになるから、楽しい。
練習の空気が締まっているからこそ、プレーの中で本当の楽しさが出てくる。
この感覚は、小学生から中学生に上がったばかりの選手には、まだ難しい部分もあります。
小学生気分が残っている。
言われたらやるけれど、自分たちで空気を作るところまではまだ届かない。
これは責めたいわけではありません。
むしろ、当然の難しさだと思っています。
ただ、FOGはそこから逃げられない。
先輩が作ってくれた空気に乗るのではなく、自分たちが最初の空気を作るチームだからです。
怒鳴れば早い。でも、それでは残らない
指導者として、ここはすごく葛藤があります。
強く言えば、その場は締まるかもしれません。
上からガッと言えば、選手は動くかもしれません。
「静かにしろ」
「ちゃんとやれ」
「ふざけるな」
そう言えば、その瞬間の練習は整うかもしれない。
でも、それだけでいいのか。
僕は、そこにずっと違和感があります。
コーチの声が怖いから動く。
怒られないためにやる。
コーチの目を見ながら、自分の行動を決める。
それでは、コートの中で自分たちで解決できるチームにはならないと思っています。
試合中にプレーするのは選手です。
コーチはベンチからアドバイスはできます。
戦術も伝えられる。
タイムアウトで修正もできる。
でも、最後に判断するのはコートにいる5人です。
ベンチの選手も含めて、チーム全員が空気を作っていく。
だからこそ、普段の練習から「自分たちで気づく」「自分たちで声を出す」「自分たちで締める」という経験が必要だと思っています。
言えば動ける。でも、それで終わらせたくない
FOGの選手たちは、素直です。
言われたことに対して、ちゃんとアクションを起こせる子たちが多い。
だからこそ、こちらが強く言えば、ある程度は形になります。
でも、僕が作りたいのは「言われたらできるチーム」ではありません。
自分たちで考えて、行動できる集団です。
誰かがふざけていた時に、コーチが言う前に仲間が声をかける。
練習の入りが甘い時に、自分たちで空気を変える。
ミスが出た時に、下を向くのではなく、次のプレーに戻す。
そういうチームになってほしい。
ただ、それは簡単ではありません。
何回も言わないと伝わらない。
一度話しただけでは浸透しない。
その場では理解したように見えても、次の練習ではまた戻る。
でも、文化を作るというのは、たぶんそういうことなんだと思います。
一回のミーティングで作れるものではない。
一度の注意で変わるものでもない。
毎日の小さな行動の積み重ねで、少しずつ形になるものです。
僕自身も、コーチの目を気にしていた
ここからは僕自身の話です。
僕も選手時代、少なからず「怒られないようにやる」という感覚がありました。
もちろん、それで身についたこともあります。
厳しさの中で覚えたこともある。
でも同時に、コーチの目を気にしてしまう自分もいたと思います。
本当に自分で考えていたのか。
それとも、怒られない選択をしていただけなのか。
今、指導する立場になって、そこをよく考えます。
選手には、自分で考えてほしい。
でも、考えろと言うだけでは難しい。
自由にしすぎると、空気が緩む。
強く縛りすぎると、指示待ちになる。
この間で、毎日揺れています。
それが、チームを持つ難しさです。
でも同時に、面白さでもあります。
スクールとは違う。
スクールは個人の成長を強く見られる場所です。
チームは、個人だけではなく、空気や文化そのものを育てていかなければいけない。
そこに、FOGの難しさと価値があります。
文化は、今日の行動で作る
海外のユーススポーツでも、チーム文化や選手の主体性は大きなテーマになっています。
Positive Coaching Allianceは、ポジティブなユーススポーツ文化を作ることを重視し、選手が安全で信頼できる関係性の中で成長することの重要性を発信しています。
Project Playも、子どもたちがスポーツを続けられる環境づくりを大きなテーマにしています。
でも、こうした考えを現場でどう形にするか。
そこが大事です。
FOGで僕が向き合っているのは、まさにそこです。
自分たちで声を出す。
自分たちで切り替える。
自分たちで練習の空気を作る。
これは簡単ではありません。
でも、最初の1年生たちがそれを作れたら、FOGの文化になります。
来年入ってくる選手たちが、その空気を見て学ぶようになる。
「FOGではこうするんだ」
「先輩たちはこうやって練習に入るんだ」
「ミスしても、次に戻るんだ」
そういう基準が、少しずつ生まれる。
だから、今の1年生が作っているものは、ただの練習環境ではありません。
FOGの最初の文化です。
明日、何を一つ変えるか
選手に伝えていることがあります、大きなことをいきなり変えなくていいということです。
練習前の入り方を変える。
集合の時の姿勢を変える。
仲間がミスした時の一言を変える。
自分がふざけそうになった時に、少しだけ戻る。
コーチに言われる前に、声を出す。
それだけでいい。
でも、それを毎回やる。
それが積み重なると、チームの空気になります。
文化は、誰かが用意してくれるものではありません。
伝統も、最初からあるものではありません。
今いる選手たちの今日の行動が、いつか後輩にとっての「FOGらしさ」になります。
僕自身も、まだまだ試行錯誤しています。
強く言うべき場面もある。
待つべき場面もある。
気づかせたいけど、気づくまで待つのは簡単ではない。
でも、そこから逃げずに、FOGの文化を選手たちと一緒に作っていきたいと思っています。
もしこの記事を読んでいる指導者の方、保護者の方、選手がいたら、少しだけ考えてみてください。
自分のチームの空気は、誰が作っていますか。
コーチですか。
上級生ですか。
それとも、今日の自分の行動ですか。
今日の練習で、一つだけ空気を良くする行動を選ぶ。
そこから始めていいと思います。
One Step Resilience #006
文化は、誰かが用意するものではなく、今日の行動で作るもの。
最後まで聴いていただき、ありがとうございました。
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