おはようございます、祐川です。
バスケットをやっていると、誰にでも必ず来る時期があります。シュートが、入らない時期です。
昨日まで入っていたのに、急にリングに嫌われたみたいに入らなくなる。練習ではいいのに、試合になるとまったく決まらない。本当に苦しい時期です。僕も長く現役を続けてきて、この「入らない時期」を何度も経験してきました。今日は、そういう時に僕がやっていたことを話します。
フォームは「直し続ける」。でも、焦って変えない
入らなくなると、まず何をしたくなるか。フォームを変えたくなるんです。「打ち方が悪いのかも」と思って、手の角度を変えたり、足を変えたり。
正直に言うと、僕自身、シュートフォームは、これまで何度も変えてきました。中学、高校、大学と、その時々で、ずいぶん違います。大学では、「シュートフォームは人それぞれ。自分に合う形を見つけるために、直し続けることが大事だ」と教わりました。だから、フォームを直すこと自体は、悪いことじゃない。むしろ、必要なことだと思っています。
ただ、気をつけたいのは、入らない時期の、その渦中で、焦って、毎日コロコロいじってしまうこと。昨日はこの角度、今日はあの足、と場当たりに変えると、もともと良かった打ち方まで分からなくなって、もっと深い沼にはまっていく。
「自分に合う形へ、落ち着いて直していく」のと、「不安にまかせて、手当たり次第いじる」のは、まったくの別物です。僕は、入らない時ほど、後者をやらないように気をつけていました。
原因は、フォームだけじゃない
そして、これも大学で教わったことですが、シュートが入らない原因は、フォームだけじゃありません。心の持ちよう——「外したら、どうしよう」という、あの不安です。
これがあると、体が固くなって、いつもの動きができなくなる。フォームをどれだけいじっても、心が縮こまっていたら、入らない。むしろ、入らない時の犯人は、フォームより、こっちのことのほうが多いんです。だから僕は、フォームを疑う前に、まず自分の心が、ビクビク打っていないか、を見るようにしていました。
準備の量を、減らさない
次に、これは絶対にやっていたことですが、入らない時ほど、打つ準備の量を減らさない。
人間は、入らないと、だんだん打つのが怖くなる。だから無意識に、シュート練習を避けるようになる。打たなければ外さない。でも、それだといつまでも抜け出せない。
僕は、中学・高校の頃から、朝練でも自主練でも、とにかくひたすらシュートを打っていました。高校では「3ポイントは打つな」と言われていて、ミドルシュートを中心に、たくさん。……正直、たまに反抗して3ポイントを打ったりもしましたけどね。当時は不満もありましたが、監督や先生なりの考えがあったんだな、と今は思えます。大学でも、とにかく打ちました。オフの日も体育館に行って、授業の合間や昼休みにも打つ。
そうやって打ち込んだ量が、入らない時の、心の支えになるんです。「これだけ打ったんだから」と思える。技術というより、お守りみたいに、準備の量が効く。だから僕は、入らない時こそ、いつも通り、いや、いつも以上に打ち込みました。誰もいない体育館で、淡々と。
結果じゃなく、「中身」を見る
それから、見る場所を変えていました。入らない時期は、どうしても「入ったか、外れたか」だけを見てしまう。でも、それだと外れるたびに気持ちが落ちていく。
だから僕は、結果じゃなくて「中身」を見るようにしていました。いい体勢で打てたか。いい選択で打てたか。リングまでしっかり力が伝わっていたか。たとえ外れても、「今のは、いいシュートだった」と言える一本があるんです。
いいシュートを打ち続けていれば、確率は必ず戻ってくる。入らない一本一本を、「失敗」じゃなく「いいシュートの途中経過」として見られるかどうか。そこが、抜け出せる人と沈んでいく人の分かれ目でした。
子どもが、入らない時期にいたら
これは、子どもにもそのまま当てはまります。子どもがシュートの不調で落ち込んでいる時、つい「フォームを直そう」「もっと練習しろ」と言いたくなる。でも、崩れているのは心のことが多い。
だから、もし僕が声をかけるなら、結果じゃなく中身を一緒に見ます。「今の、体勢よかったよ」「いい選択だった。次も同じでいい」。入らない事実を責めるより、いいシュートを打てた事実を見つけてあげる。それだけで、子どもはもう一本打つ勇気が出る。打ち続けられれば、確率は戻ってきます。
抜けた人だけが、知っていること
入らない時期は本当に苦しい。でも、長くやってきて、はっきり言えることがあります。その時期を、打ち続けて抜けた人は、ひとつ強くなる。
「あの苦しい時期も、打ち続けたら抜けられた」。この経験を一度すると、次に不調が来ても慌てなくなる。「ああ、またこの時期か。でも、打ち続ければ抜ける」と知っているから。
不調は、消すものじゃなく、付き合って抜けていくもの。焦ってフォームをいじるより、心を整えて、準備を切らさず、中身を見て、打ち続ける。それができた時、入らない時期は、ただの苦しみじゃなく、自分を強くする時間に変わります。
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