おはようございます、祐川です。
海外から来たコーチが目の前にいる。
ずっと会いたかった人です。北海道へ来てもらうために、メールやInstagramのDMでは何度もやり取りをしてきました。
翻訳機を使えば、文章は作れます。日程も伝えられる。会場やホテルの案内も、時間をかければ何とかなる。
ところが、実際に会って話そうとした瞬間、言葉が出てきませんでした。
伝えたいことは頭の中にあるのに、英語にならない。
笑って、うなずいて、通訳してくれる人を見る。
自分が主催したイベントなのに、自分の言葉で歓迎できない。そのことが、かなり悔しかったんです。
「やらなきゃ」は、何年も続いた
英語を勉強しなければと思ったのは、その時が初めてではありません。
会社員時代、仕事でトルコへ出張したことがありました。
上司が英語を話せたので、現地では通訳してもらいながら商談しました。自分一人では、聞きたいことも思うように聞けない。相手が話している内容も、ところどころしか分からない。
帰国した直後は、「今度こそ英語をやろう」と思いました。
オンライン英会話も少し始めました。
でも、続きませんでした。
海外出張が終われば、普段の生活で英語を使わなくても困りません。目の前の仕事に追われ、熱は少しずつ下がっていく。「また必要になった時にやればいい」と遠ざかりました。
必要になった瞬間だけ焦り、必要がなくなるとやめる。
これを何度も繰り返してきました。
だから海外コーチを前にして言葉が出なかった時、初めての失敗という感じはしませんでした。
何年も先延ばしにしてきたものが、目の前へ戻ってきた感覚でした。
「いつでもできる」は、僕には難しかった
オンライン英会話には大きな利点があります。
移動しなくていい。好きな時間に予約できる。費用も抑えやすい。
それでも僕の場合、「いつでもできる」は「今日はやらなくてもいい」に変わりました。
仕事が忙しい。
少し疲れている。
準備ができていない。
もう少し単語を覚えてから始めたい。
やらない理由はいくらでも作れます。
そこで今回は、実際に教室へ通うことにしました。
予約した時間になれば、その場所へ行く。先生の前では日本語に逃げられない。宿題も出る。できていなくても次の授業は来る。
自分の意志を強くするのではなく、逃げにくい環境を先に作りました。
挑戦を続けられない時、すぐに「自分は意志が弱い」と考えてしまいます。
でも、意志だけで続ける設計になっていないかは見直せます。
僕には、自由度の高い仕組みより、時間と場所が決められた仕組みの方が合っていました。
36歳で、I amから始めた
英語は昔から得意ではありません。
中学校や高校でも、成績が良かった記憶はない。単語も文法も、自信がありませんでした。
英会話教室で始めたのは、本当に基礎の基礎です。
I am.
You are.
How are you?
I’m good.
大人になってから、そこへ戻るのは少し恥ずかしさがあります。
周りには英語を話せる人もいる。翻訳アプリもある。「今さら、そこから?」と自分でも思う。
でも、分からないものを分かったふりで進めても、口から言葉は出てきません。
バスケットでも同じです。
難しいドリブルや派手なフィニッシュを覚えても、止まる、構える、相手を見るという土台がなければ、試合では崩れます。
英語も、自分が立っている場所から始めるしかありませんでした。
最初の授業でうまく話せなかったことは、能力の判定ではありません。
今の位置が分かったということです。
子どもへ挑戦を求めるなら
スクールやFOGでは、子どもたちへ「失敗してもいいからやってみよう」と伝えます。
でも大人になると、自分が初心者になる場所を避けやすくなります。
できない姿を見られたくない。
質問されて答えられないのが怖い。
これまで積み上げてきた評価を下げたくない。
指導者という立場にいると、なおさらです。
だから僕が英語で詰まり、先生の質問を聞き返し、宿題を間違える姿も、子どもたちへ見せられる材料だと思っています。
「挑戦しろ」と言う大人が、完成した姿しか見せない。
それでは、失敗している途中の子どもに言葉が届きにくい。
僕は英語が話せるから学んでいるのではなく、話せないから学んでいます。
その順番を隠さないことにも意味があります。
翻訳機では埋まらなかったもの
翻訳機は便利です。これからも使います。
メールや長い説明では、間違いを減らすために必要です。
ただ、海外コーチと体育館を歩きながら感じたこと、子どものプレーを見てその場で伝えたいこと、食事をしながらふと聞きたくなったことは、翻訳機を開いている間に温度が変わります。
完璧な英語でなくていい。
短い一文でも、自分の声で伝えたい。
僕が英語を学ぶ目的は、テストで点を取ることではありません。
世界のコーチから直接学び、その知識を北海道の子どもたちへ持ち帰ることです。
そして、札幌で起きていることも自分の言葉で伝える。
目的が見えたことで、I amから始める時間にも意味が生まれました。
最初に使いたいのは、難しい英語ではない
僕が最初に自分の口で伝えたいことを考えると、専門的なコーチング用語ではありませんでした。
北海道へ来てくれてありがとう。
昨日はよく眠れましたか。
この子は、今の説明を理解できていないかもしれません。
なぜ、この練習を選んだのですか。
どれも、長いスピーチではありません。
それでも、その場で相手を気遣い、目の前の子どもについて一緒に考えるために必要な言葉です。
英語学習というと、単語帳を何ページ進めたか、何時間勉強したかを数えたくなります。僕も数字がある方が安心します。
ただ、今回の目的から逆算すると、覚えるべきなのは「いつか役立つ大量の英語」だけではありません。次に海外コーチと会った時、必ず使いたい一文です。
教室へ通う週一回の時間に加えて、普段は五分でも、その一文を声に出す。実際の体育館を思い浮かべながら使う。言えなかった言葉を授業へ持ち帰る。
授業と現場を往復できれば、英語は勉強科目ではなく、自分の仕事の道具になっていきます。
流暢になるまで海外の人と話さないのでは、また同じことが起きます。
不完全な一文を使い、通じなかった経験から次の言葉を覚える。その繰り返しを、今回は避けずに残していこうと思っています。
一年後の自分に渡したいもの
一年後、本当に流暢に話せているかは分かりません。
思ったより時間がかかるかもしれない。途中で忙しくなり、また休みたくなるかもしれません。
それでも、今回は「ペラペラになる」という遠い結果だけを見ないようにしています。
教室へ行った。
宿題を一つ終えた。
昨日言えなかった一文が言えた。
海外コーチへ、通訳を挟まず一つ質問できた。
小さな証拠を残していく。
ここで気をつけたいのは、続けた日数だけを新しい評価にしないことです。
一度休んだら全部終わり。
毎日できなければ意味がない。
そう考えると、途切れた瞬間に戻りにくくなります。
僕が以前オンライン英会話をやめた時も、「続かなかった人」という感覚が残りました。もう一度始める時、その過去が少し邪魔をします。
でも、以前の一か月が無駄だったわけではありません。
オンラインでは続きにくいことが分かった。
必要性だけでは熱が長く続かないことも分かった。
次は、時間と場所を固定した方がいいと判断できた。
止まった経験にも、次の設計に使える情報があります。
スポーツでも、三日休んだ選手へ「またゼロから」と言うより、「前に続かなかった理由を一つ変えよう」と考えた方が戻りやすい。
継続は、一度も止まらないことではありません。
止まった時に、同じ方法のまま自分を責めず、戻り方を作り直せることです。
子どもには、成果より途中を見せたい
僕が一年後に英語を話せるようになっていたとして、子どもたちへ見せたいのは完成した姿だけではありません。
先生の質問が分からなかった日。
宿題を忘れた日。
覚えたはずの単語が出てこなかった日。
それでも次の予約を入れたこと。
こういう途中の方が、挑戦している子どもには届くことがあります。
大人は、過去の失敗をきれいな学びに編集してから話しがちです。
でも挑戦している最中は、何が正解か分かりません。
僕もこの学び方が合っているか、まだ検証中です。
だから英語の成長だけでなく、何が続き、どこで止まり、どう変えたかまで記録します。
それは英会話の報告であると同時に、挑戦を続ける仕組みの現場検証になります。
英語に限らず、長く先延ばしにしていることは、最初から大きく変えようとすると動けなくなります。
僕に必要だったのは、立派な決意ではなく、次の授業を予約することでした。
もし皆さんにも「いつかやりたい」と何年も残っているものがあれば、その最初の一歩を聞かせてください。
僕もまだ途中です。
だからこそ、完成した人の成功談ではなく、できないところから始める記録を残していこうと思います。
One Step Resilience #012
必要になってからでも、最初の一文は覚えられる。
最後まで聴いていただき、ありがとうございました。
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について、成功だけでなく失敗や試行錯誤も含めて、できるだけリアルにお話ししていきます。
病気や怪我で苦しかった時期。
チーム解散を経験したこと。
14年間の会社員生活。
そして36歳からのスポーツ起業。
遠回りしてきたからこそ伝えられることがあると思っています。
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