おはようございます、祐川です。
正直に、告白から始めます。僕は、親として、つい、上の子と下の子を、そして、よその子と、自分の子を比べてしまうことがあります。指導者で、人には「比べないことが大事ですよ」なんて言っている本人が、です。
先日、下の娘の一歳半健診に行ってきました。赤ちゃんなら誰でも受ける、あの定期健診です。そこで、あらためて感じたことがありました。下の子は、上の子とくらべると、まだ言葉があまり出てきていない。一生懸命、喋ろうとはしている。でも、上の子の同じ時期とくらべると、ちょっとゆっくりなのかな、と。
決して、心配しているわけじゃないんです。まだ一歳半。これから、きっとたくさん喋ってくれる。それは分かっている。それでも、「上の子は、この頃もう…」と、つい、くらべている自分がいました。
上の子に対しても、そうです。この間の運動会で、走っている我が子を見ながら、つい、まわりの子とのスピードを、目で追ってしまう。速いな、とか、あの子のほうが、とか。気づくと、くらべているんですよね。
今日は、その「つい、比べてしまう」という話をしようと思います。
比べてしまうのは、悪いことじゃない
まず、最初に言っておきたいことがあります。比べてしまうのは、悪い親だからじゃありません。
我が子を心配しているから、もっと伸びてほしいと思っているから、つい、まわりと比べてしまう。あれは、愛情の裏返しなんだと思います。だから、比べてしまう自分を、責めなくていい。僕も比べてしまうので、えらそうなことは何も言えません。
ただ、その「比べる気持ち」が、そのまま子どもに届いてしまうと、ちょっと、もったいないことが起きる。そこだけ、一緒に考えたいんです。
「あの子はできるのに」が、届くと
子どもって、親が思っている以上に、敏感です。
「お兄ちゃんはできたのに」「あの子はもうできるのに」。直接言わなくても、ため息や、表情や、声のトーンで、なんとなく伝わってしまう。そして、比べられた子は、こう受け取ることがあります。「自分は、ダメなんだ」と。
そう思い込むと、新しいことに向かう元気が、しぼんでいく。「どうせまた比べられる」と思うと、一歩が出なくなる。本当はいちばん伸びる時期に、心のほうがふさいでしまう。これは、もったいないなと思うんです。
僕も、ずっと比べられてきた
少し、自分の話をします。
僕は選手として、ずっと、比べられる世界で生きてきました。選ばれた、選ばれなかった。あいつのほうがうまい、お前はまだだ。そういう物差しの中に、いつもいた。
正直、しんどかった時期もあります。誰かと比べて、自分のほうが下だと感じると、バスケが楽しくなくなる。手が縮こまる。今ふり返ると、人と比べてばかりいた時期は、たいてい、伸びていなかった気がします。
逆に、伸びたのは、「昨日の自分」と比べられた時でした。昨日できなかったことが、今日できた。先週より、ちょっと良くなった。その実感があると、まわりがどうであれ、前に進めたんです。
比べるなら、「昨日のその子」と
だから僕は、比べるなら、よその子でも、きょうだいでもなく、「昨日のその子」と比べるようにしています。
きょうだいだって、一人ひとり、まったく違います。上の子が早かったから、下の子も、なんてことはない。育つスピードも、得意なことも、全部ちがう。同じ物差しを当てるほうが、むしろ無理があるんですよね。
人と比べると、終わりがありません。上には上がいる。でも、「昨日のその子」となら、どの子も、必ず一歩は進んでいる。その一歩を見つけてあげられるのは、いちばん近くにいる、親なんだと思います。
僕がやっている、小さなこと
最後に、僕が家でやっている、小さなことを一つ。
「あの子はできるのに」が、口から出かけた時。僕は、ぐっと飲み込んで、代わりに、その子自身の今日できたことを、口に出すようにしています。「さっきの、前より良くなってたね」とか。「最後まで、あきらめなかったね」とか。
正直、いつもうまくできるわけじゃありません。つい比べてしまう日もある。でも、比べる言葉を一つ飲み込んで、その子の一歩を一つ口にする。それだけで、子どもの顔が、ちょっと変わる。僕は、そう感じています。
つい、比べてしまう。それは、しかたない。でも、最後に口から出す言葉は、選べる。そんなふうに思っています。
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