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子どもがいちばん伸びるのは、夏かもしれない。
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子どもがいちばん伸びるのは、夏かもしれない。

おはようございます、祐川です。

もうすぐ7月ですね。今日は、この夏という季節の話をします。僕は現場で見ていて、いつも思うんです。子どもがいちばん伸びるのは、たぶん夏だな、と。

夏の前と後で、別人みたいに変わって戻ってくる子がいます。一方で、あんまり変わらない子もいる。同じ夏を過ごしているのに、なぜこんなに差がつくのか。今日は、その「伸びる夏の過ごし方」を一緒に考えてみたいと思います。

なぜ、夏に伸びるのか

まず、なんで夏に伸びやすいのか。いちばんは、「まとまった時間」が取れるからです。

ふだんは学校があって、宿題があって、練習も細切れになりがちです。でも夏休みは、一つのことに続けて取り組める。バスケットの上達は、実はこの「続けて、まとまって」がすごく効くんです。

それから、夏は大会や練習試合が多い。実戦の経験をたくさん積める。試合で課題が見えて、その課題に時間をかけて取り組める。この「試合と練習の往復」を濃くできるのが夏です。つまり夏は、伸びるための条件がそろっている季節なんですね。

僕の夏は、ひたすら走る夏だった

ここで、僕自身の夏の話を少しさせてください。正直、今からする話は、さっきの話とちょっと矛盾するかもしれません。

僕が中学・高校の頃の夏は、もう、ひたすら走る夏でした。コートの往復ダッシュを、延々とやる。一本、三本、五本、七本、九本と増やしていって、今度は八本、六本、四本、二本と減らしていく。それを何セットも。しかも夏休みは、一本でも外したらやり直し。本当に、走ってばかりいました。

大学に入ってもすごかった。東海大の時、山形の蔵王で合宿があったんです。本来は、長距離やクロスカントリーの選手が走り込むような場所。なぜか僕たちバスケ部も、そこでクロスカントリーの大会に出たりして。まわりは陸上の選手ばかり。朝六時から、100メートルダッシュを二十本、400メートルを何十本、坂道も、クロカンも。死ぬほど走って、そのあとトレーニング。あの山形合宿は、本当に憂鬱でした。

正直、あれを乗り越えたからこそ今の自分がある、とは思っています。今、全く同じことができるかと言われたら、それはできないかもしれない。やり方も、当時のままがいいとは思いません。でも、こういう強度の高いことは、形を考えながらでも、やっぱりやっていかないといけない、とも思っているんです。夏は、他のチームだってしっかり走り込む時期ですから。そこを甘く見ちゃいけないな、と。

でも、差がつくのはなぜか

ただ、あの頃の僕がぜんぶ正しかったとも思いません。やみくもに量をこなせばいい、というものでもない。

じゃあ、同じように強度を上げる夏でも、なぜ伸びる子とそうでない子に分かれるのか。差は、ただの「量」じゃない。その強度を、どう考えて入れるか。つまり「過ごし方」です。

よくあるのが、夏だからとあれもこれも詰め込んでしまうパターン。練習を増やして、合宿に行って、自主練もして。一見、頑張っているように見えます。でも全部が中途半端になって、気づいたらただ疲れて終わった、ということがけっこうある。

逆に、ぐっと伸びる子は、たいてい「一つ」を決めています。この夏は左手のドリブルを徹底的に、とか。シュートのこの形を、とか。一つに絞って、まとまった時間で反復する。だから、夏明けにはっきり「できるようになった」と分かる。量より、何を、どう過ごすか。そこで差がつきます。

休むことも、夏の計画に入れる

夏で見落とされがちなのが、休むことです。夏は暑い。練習も試合も増える。体にはふだん以上に負担がかかります。

ここで休養を計画に入れずに、ただ「夏は頑張る時期だ」と詰め込むと、伸びるどころか、夏の後半でバテたり怪我をしたりする。これは本当にもったいない。

伸びる夏は、「頑張る日」と「休む日」がちゃんとセットになっています。しっかり動いて、しっかり休んで、しっかり食べる。暑い夏だからこそ、この当たり前がいつも以上に効きます。頑張ることと、休むこと。両方を夏の計画に入れておくだけで、夏の終わりの姿が変わってきます。

「やらせなきゃ」を、手放す

僕が気をつけていることをひとつ。夏が近づくと、大人のほうがちょっと焦るんですよね。「この夏で差をつけさせなきゃ」「やらせなきゃ」と。その気持ちはすごく分かります。僕もつい思います。

でも、いちばん伸びる夏は、実は「やらされた夏」じゃない。「好きで、夢中になれた夏」なんです。子どもが自分から体育館に行きたくなる。もう一本打ちたくなる。その状態を守れた夏が、いちばん伸びる。逆に、大人が量を詰め込んで、子どもが「やらされている」と感じた瞬間に、伸びは止まってしまう。

これは、強度を上げないという意味じゃありません。夏は、しっかり追い込む時期でもある。大事なのは、その強度を、やらされでなく本人が向かう形にできるか、です。だから僕は、ただ「たくさんやらせる」んじゃなく、「強度の高いことに、本人が向かいたくなる状態を、どう作るか」を考えるようにしています。

この夏、一つでいい

もし、この夏お子さんに何か一つ、と思うなら、僕のおすすめは、欲張らないことです。あれもこれも、じゃなく、「この夏は、これ」と一つ決める。それを好きなだけ続けられる環境を整えてあげる。そして、しっかり休む日もつくる。

それだけで、夏は子どもをぐっと前に進めてくれます。

夏は、伸びる季節。でも、伸びるかどうかは過ごし方で決まる。詰め込んだ量じゃなくて、「一つを、好きで、続けられた」かどうか。そんな夏にできたらいいなと思います。

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