スケガワ|挑戦と育成の裏側
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高校まで主役だった僕が、大学でベンチに座った。
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高校まで主役だった僕が、大学でベンチに座った。

おはようございます、祐川です。

今日は、保護者の方の、いちばん言葉にしにくい悩みの話をします。

「うちの子、試合にあまり出られないんです」。応援に行く。準備して会場へ向かう。でも、我が子はベンチに座ったまま試合が終わる。その帰り道の、なんとも言えない空気。

何て声をかければいいか分からない。「次は出られるよ」も嘘っぽい。「悔しいね」も傷をえぐる気がする。だから結局、何も言えずに車を走らせる。

その気持ち、僕はよく分かります。なぜなら、僕自身がベンチに座り続けた経験があるからです。

全国の中で、出番が消えた

僕は高校まで、北海道ではまあまあ強いチームで主役級でプレーしていました。

それが、大学に入った瞬間に変わった。全国のトップクラスの選手が集まってくる。今まで自分が一番だと思っていた感覚が通用しない。気づいたら、メインで出られる機会がどんどん減っていきました。

主役から、控えへ。あれはしんどかったです。プライドもある。なんで自分が、という気持ちもある。コートの外から試合を見ているだけの時間が、長く感じました。

だから、ベンチで終わる我が子を見ている保護者の気持ちが、痛いほど分かるんです。

「出ていない時に、何ができるか」

でも、そこで僕の中で一つだけ変えたことがあります。考える「軸」を変えたんです。

それまでは「どうやって出場時間を取り返すか」ばかり考えていた。でも、それだと出られない時間は、ただ苦しいだけの時間になる。

だから問いを変えました。「出ていない今、何ができるか」。

この問いに変えた瞬間から、ベンチの時間の意味が変わりました。出ていない時に相手をよく観察する。味方の動きの癖を覚える。自分が出たら最初に何をするかを決めておく。そして、いざ出たら、限られた時間で一本のシュートを確実に決める。一本のルーズボールに全力で飛び込む。一本一本のプレーの質を、極限まで上げる。それだけに集中しました。

凝縮した一本が、出番を呼ぶ

そうしたら、不思議なことが起きました。少しずつ、試合に絡ませてもらえるようになったんです。

長い時間をもらえたわけじゃない。でも、短い時間に全力を凝縮する選手は、ベンチにいてもコーチの目に留まる。

これは、今の僕が指導する立場になってよく分かります。出場時間が短い子でも、出た瞬間に全力でルーズボールに飛び込む子、声を出してチームを動かす子。そういう子を、コーチは絶対に見ています。

チームの強さは、主役だけじゃ決まりません。控えの一人ひとりが、与えられた役割の中でどれだけプロフェッショナルに準備するか。その総和が、強いチームを作る。ベンチは罰じゃない。準備の場所なんです。

ベンチの時間は、無駄じゃない

僕は今でも、大学でベンチに座っていたあの時間を、無駄だったとは思っていません。

むしろ、あの時間に「出ていない時に何ができるか」を考え抜いた経験が、今の僕を作っています。観察する力、準備する力、与えられた場所で全力を出す力。全部、ベンチで身につけたものです。

だから、今ベンチにいるお子さんにも伝えてあげてほしい。今、出ていない時間は、ただ待っている時間じゃない。次の一本を、いちばん良くするための準備の時間なんだ、と。

出ていない時間に何をするか。それが、出た時の一本を決めます。

今日の話が、帰り道に言葉を探している、どこかの親子に届いたら嬉しいです。

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