おはようございます、祐川です。
今日は、あまり大きな声では言ってこなかったことを話します。僕は、子どもたちを指導する立場ですが、自分自身も、いまだに現役の選手です。
つい今年の三月にも、全国大会の舞台に立ってきました。江別ワイルドボアーズというチームで、北海道のリーグ戦を一年かけて勝ち抜いて、ようやくたどり着いた舞台です。社会人の、アマチュアの日本一を決める、いちばん上の全国大会。場所は熊本でした。
結果は——一回戦で、負けました。正直、レベルは相当高かった。通用した部分も多少はありましたが、通用しなかった部分の方がずっと多かった。まわりの選手はみんな若くて、三十代も半ばを過ぎた僕が、その中で必死に食らいついてきた、という感じです。
指導者になったら選手は引退して教える人になる、と思われがちですよね。でも、僕は引退していません。子どもに教えながら、自分もまだ、全国で戦っている。今日は、なぜ教える側になっても現役を続けているのか、という話です。
引退して「教える人」になりたくなかった
正直、続けるのは楽じゃありません。体は若い頃のようには動かない。仕事もあるし、子どもも小さい。練習の時間を作るのもひと苦労です。やめる理由なら、いくらでもあります。
でも、どうしても続けたい理由がありました。「挑戦しろ」と子どもに言う人間でいるなら、自分も挑戦していたい、ということです。
引退して、安全な場所から「頑張れ」「挑戦しろ」と言うのは、僕にはどこか嘘っぽく感じてしまう。自分はもう挑まないのに、子どもにだけ挑ませる。それは、なんか違うな、と。
現役だから、わかること
現役を続けていて、よかったと思うことがあります。子どもの気持ちが、リアルタイムで分かるんです。
試合前の、胃が痛くなる緊張。大事な場面で、シュートを打つのが怖くなる感覚。うまくいかなくて、自分にがっかりする夜。それを、僕は「昔こうだった」じゃなく、「この前もそうだった」と、今の自分の話として語れる。
子どもに「ミスを怖がるな」と言う時も、僕自身、つい先週、ミスを怖がって縮こまった経験がある。だから、きれいごとにならない。「怖いよな。僕も怖い。でも、その怖さの中で打つから、意味があるんだよ」と、同じ目線で言える。教科書の言葉じゃなく、まだ痛い、自分の言葉で話せる。それが、現役を続けるいちばんの価値だと思っています。
子どもは、背中を見ている
子どもは、大人の言葉より、背中を見て育ちます。「挑戦しなさい」と百回言うより、大人が一回、本気で挑戦して、うまくいかなくて、それでもまた立つ姿を見せる方が、ずっと伝わる。
僕が全国の舞台で、年下の選手相手に必死に食らいついている。勝つこともあれば、負けて悔しがることもある。その姿を、スクールの子が見て、「先生、まだやってるんだ」と笑う。それで、いいんです。
大人が、まだ挑んでいる。それを見せられること自体が、いちばんの教材になる。僕は、子どもに見せられる「現役の背中」を、できるだけ長く持っていたいと思っています。
もちろん、いつか立てなくなる
とはいえ、僕も人間なので、いつか全国の舞台には立てなくなります。体は確実に変わっていく。でも、それでいいと思っています。
大事なのは、「ずっと一番でいること」じゃない。「挑戦し続けている状態」でいることです。舞台が変わっても、形が変わっても、何かに挑み続けている。バスケの現役を退いても、きっと僕は、別の何かに、初心者として飛び込んでいると思います。
挑戦は、勝ち続けることじゃない。挑み続けること。その姿を、子どもにも、自分の娘にも、見せていきたいんです。
あなたは今、何に挑んでいますか
最後に。僕が、自分に言い聞かせていることがあります。「お前は今、挑戦しているか」。子どもにそう言う前に、まず自分に、そう問い続けたいんです。
大きなことじゃなくていい。新しい仕事でも、勉強でも、趣味でも、形は何でもいい。何か一つ、挑んでいる。それだけで、子どもにかける言葉の重みが、自分の中で変わる気がします。
僕にとっては、それが、たまたまバスケの現役、というだけです。教える側になっても、僕はまだ全国の舞台で戦っています。うまくいかない日もあります。でも、挑み続けている限り、僕は子どもに胸を張って「挑戦しよう」と言える。その背中を、これからも見せていきます。
そして、もし、これを読んで「何か始めてみようかな」と思った人がいたら——その一歩を、僕は心から応援しています。
今日の話が、何かに挑みたくなっている、どこかの誰かに届いたら嬉しいです。
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